不動産投資に興味があったけれど、最初は、何をやったらいいかわかりませんでした。
区分、築古いろんな本を読んでみましたが、業者や銀行開拓も、具体的に何をすればいいかわかりませんでした。
そんな時、アマゾンで他の本を購入していた際、村田さんの本が関連本として出てきました。大阪で開催された出版記念セミナーにも参加し、2015年2月、本を読んだ時点で、入会は妻と一緒に決めていました。
築古や、大家の手がかかるのは一人で行うのは厳しいのではないか、と感じ、この会が向いているのではないかと思ったからです。
困難に次ぐ困難。それでも、購入できたのは・・・
今回で、3棟目を購入しましたが、最初は金額が大きい点に躊躇しました。
それでも購入できたのは何故か?少々細かい説明となりますが、経緯を振り返りながら書いてみようと思います。
なぜなら、その流れの中に、成功した要因が含まれているからです。
見つけた物件は、アットホームで検索したもので、価格45000万CF1億あたり189万、利回り11.1%。
築20年、112室。消費税還付で2500万戻るとCF229万円でした。ただし、諸費用だけで4000万円近くになります。
市場は過熱期で、連日検索していたほかの物件はほとんどCFが出ないものばかり。
そこでこれぐらいでもいいんじゃないかと思い、アルティメット担当の才津さんに相談したところ、「行ってみますか」といわれたので決断できました。
しかし、この物件には1番手がいるとのことでした。実は、この会の会員さんだったのですが、融資の審査中で通るかどうかわからない為、2番手で待つことになりました。
その間、才津さんのお勧めの地銀に行ってみました。すると、銀行担当者から「物件もいいので一度会いたい」ということで、7月1日に面談をしました。
翌日には現地調査をしたのですが、管理が複雑で、障害が多い物件だとわかります。
1棟112戸と建物が大きいため、建物の共用部分の清掃はA社、客付はB社(13年前から管理受託なので全室掌握していない。築7年までの入居者は掌握せず)など複数の会社が入り込んでいる。
当初、S社の社宅だったが、15,6年前工場閉鎖で大量退去。地元の建築会社が取得し自主管理。破綻。三井系の管理会社が入り賃料を安くして入居付け。等々。
これらの話を、何回も聞いたのですが、かなり複雑で理解に苦しみました。
結果、買ったとしても、A社やB社に一括して管理を任せることはできない感じでした。
B社の方には「この物件を買ったら家賃は自主管理してくれ」と言われました。
そのままでは、本業があるから、それは無理です。それだけでも途方に暮れました。
現地調査が終わってすぐ、銀行より電話がありました。銀行もすぐに現地調査に行き、現地の支店にも相談していい感触を得たとのことでした。
そんな中、仲介さんから「3番手が現れたので、2番手の順位確保のために急いで買付を入れてくれ」と連絡が入りました。
大型物件なのでそうそうほかに買付は入らないだろうとタカをくくっていたのでかなりの衝撃でした。
実は、あとからわかったのですがその3番手とは才津さんで(笑)、3番手として才津さんが援護射撃をしてくれていたのです。
その後2週間で銀行からは融資内諾。(45000万1.8%)
仲介さんから融資はどうなりましたと聞かれ、とっさに「43000万円で内諾を得た」と回答しました。
なぜなら、45000万円と言うと、それで買うことになりそうだったからです。
才津さんも、3番手として「某銀行で43000万円までしか融資がのびなかった」と背後で言ってくださっていました。
その後の流れを、時系列に書いてみます。
- 一番手は状況不明なのに売買契約しようといわれる。日取り決定。
- 約束後、再度シミュレーション。水道代は大家負担と判明。
- 銀行からは、元利均等では20年後赤字になるから元金均等にと言われる。
- 水道代と金利負担で1億あたりCF50に低下。
- オール電化で給湯器交換等改装費用3000万円オーバー。
- 賃料自主管理。EVも交換の可能性。
これだけのことがあると、物件の規模が大きいこともあって、自分には背負いきれないと判断するようになりました。
仲介さんはもちろんのこと、銀行も大型融資が決まりそうということでものすごく前向きです。そういう人たちの期待を全部ひっくり返すことになるので相当悩んだのですが、仲介さんにはこれらの内容を伝え、断りを入れました。
数日後に銀行に謝り倒して断りを入れました。
そのまま買えそうなところを自分から断ったのですから、「これでこの話は終わった」と思いました。
ところが、8月半ばに再度仲介さんから「1番手がこけたので購入しないか」と連絡がきました。
しかし、45000万では買いません、と回答しました。
その後、10月8日に仲介さんから電話があり、またか!と思いましたが「売主が、年末までに売れないなら売るのを止めると言い出した」と言うのです。「管理はB社が一括してやると言っています。45000万円で買いませんか」と。
再度、45000万円では買わない、と即答し、40000万円なら買うと回答。
結果、5日後に連絡があり、43000万円なら売ってもいいとのこと。
すかさず、才津さんに相談したのですが、「微妙だねー、しばらく様子見しよう」との返事でした。
2週間後、仲介が「かなり頑張って交渉したが、43000万から下がらない」と言ってきました。おそらく、私の43000万の内諾を踏まえての事か?そう感じました。
更に、3日後に連絡あり「値段が下がりません。もうこれ以上はどんなに頑張っても無理そうです」と。。。仲介さんがヘトヘトになっている様子が伝わってきて、電話口からため息が聞こえそうでした。
これはもうダメだなと、この話は終わったと思って電話を切ろうとしました。しかし、その時仲介さんから驚きの提案がありました。
「仲介手数料を500万円負けるから買ってくれませんか。」
こんなことがあるとは思ってもいなかったのでとても驚きました。(後で知ったのですが、「3番手」の才津さんがそれ以上の金額、仲介手数料を負けてもらうよう、背後で頑張ってくださっていました…)
実質価格42500万円になるので、「それなら買います」と返事しました。そこで、43000万円の買付を入れました。
翌日、仲介さんから連絡がありました。
- 43000万で買付が通ったけれど、条件があると売主に言われた。
- 3日以内に手付を入れて、融資特約なしで売買契約をして欲しい。手付の額は400万。
- 仲介は売主に「3日以内に400万というのは急すぎるし、特約なしは厳しい」と相談したが、売主折れず。
仲介さんは「この条件は無茶すぎると思います。嫌なら断ってくださっても構いません」と言いました。その声は憔悴しきっていました。
実質価格が42500万まで下がり、管理問題も解消した為、妻とも相談し、もし銀行融資のOKが出なかった際に手付が流れる400万のリスクはとってもいい、ということで合意できたので、購入を決断しました。
そこで銀行に再度相談することになります。夏以来初めて連絡して状況を説明し、新条件で、EVと給湯器交換3000万も入れて融資してほしいと相談しました。すると、30分で回答が届きます。
「融資の話自体は良いが、夏から時間がたっているので、再度審査になり、融資が出るかどうかは分からない」とのこと。
加えて、私が売主と融特なしの契約をすぐ結んで、私の400万円をリスクにさらすことに難色を示しました。もし融資の承認がおりずに、銀行のせいで私が400万円を失ったということにでもなれば、銀行にとっても非常に後味が悪いからです。
そこで私は仲介に相談し、融資特約を付けたい。と伝えたのですが、ダメでした。
私は「400万円を捨てる覚悟で臨むしかない」と肚をきめたところ、なんと、仲介さんから再度驚きの提案が…!!
「もしも融資が下りずに話が流れたら、うちが半分(200万)もちますよ。一筆入れてもいいです。」
翌日、契約締結。仲介さんはその場で「融資が下りずに契約が流れ、手付が返ってこないことになったら当社が200万円払います」と一筆入れてくれました。
銀行は前向きに検討してくれ、43000万で融資が承認されました。
翌月決済し、管理会社もB社に統合。45000→43000万に下がり、仲介手数料が500万減額され、消費税還付で2300万が戻ってきます。これは、40200万で購入したのと同等の効果があります。
最終結果としては、ドコモのアンテナと太陽光発電を入れて利回り12%。1億あたりCF210万となり、満室時のCFはこの1棟で1600万。今まで2棟でCF1000万でしたが今回大きく飛躍することができました。
大切なのは、結局、人と人
今回、購入の決め手になったのは、十分なCFが出る物件になったことですが、それには
- 仲介の値引きや自腹等の協力
- 才津さんの援護射撃(売価と仲介手数料の値引き交渉)
- 銀行の協力(1回こちらの都合で断ったにもかかわらず)
これらがキーポイントとなりました。
売買契約後、決済前に才津さんに現地調査に同行してもらい、お墨付きをもらったので妻も含めて最終的に安心できました。
今回の経緯で、人とのつながりも強く感じました。周りの協力なしにはうまくいかなかっただろうと思います。
経験値が、コンテクストを拡大させてくれる
アルティメット参加後、1棟目2棟目と買ってきましたが、3棟目のこの物件を買ってからは、規模が大きくても恐怖心がなくなり、検索でも確実にコンテクストが広がったように思います。
不動産投資はお金のためにやるものです。ですから儲けはもちろん大事です。が、不動産取引は人と人が行うことですので、それを忘れてはいけないなと思いました。
取引の過程でも人とのつながりを大事にすると、今回お話したように、思わぬ支援をしてくれる人が出てくると思います。お互いの立場や意向を大事にして人間関係を作っていくと、誰かが助けてくれることがあるのだと実感しました。
自分が大きなリスクを取ろうとしている時に、家族でもない人がそれを半分背負ってくれるといったことは、なかなかありません。しかし、今回はそれがあったのです。
そういった瞬間に立ち会うのは、最終的に成功したかどうかやお金うんぬんを抜きにしても最高に価値のあることだと思います。
村田さんが「不動産投資は人生そのものだ」と言ったことの意味が、私は3棟目の経験でとてもよくわかりました。
このお話がこれから不動産投資を行う方に、何か参考になれば幸いです。
関西在住サラリーマンにゃすろうさん