⼊会4年⽬となるMOLTAです。今回ご紹介する物件は、今年(平成30年)1⽉に購⼊をした、僕にとっては6棟⽬となる物件です。
この物件も、普通に某不動産情報サイトに掲載されていました。エリアは四国の⾹川県。僕にとっては、会に⼊って最初にトライした物件があったところです。
最初にトライした物件は、エリアの某地銀でほぼフルローンまで出たものの、物件に問題が⾒つかり、売契の3⽇前に泣く泣く⾒送りとなってしまったのですが、今回その物件と同じ市内で購⼊できたことは、少しですが以前の無念を晴らせたような気持ちです。
物件の詳細資料は、問い合わせ後、すぐに送付されてきました。重量鉄⾻物件であり、会の進める構造の機軸であるRCとは異なりましたが、築12年。加えて、1年前に⼤規模修繕を⾏ったばかりという点が気に⼊りました。
現地調査、ならびにヒアリングも問題無し。さっそく、銀⾏にアプローチです。
いつも使っている都銀は、前年の9⽉に使ったばかりでまだ使えませんので、このエリアの地銀を中⼼にアプローチを⾏いました。
当初に挙げた某地銀は、既に前回融資を引かせてもらってから2年以上経過していたこともあり期待したのですが、総投資枠内の不動産⽐率が⾼まり過ぎているという理由で、今では融資をかなり⼿控えているとのつれない回答が帰ってきました。
⽌む無く他の地銀をラウンドすることとなりましたが、サラリーマンであり、かつ既に物件を保有している投資家に対して、どうすれば更に投資を重畳する判断をしていただくことができるのか。
そのためには、僕と⾔う投資家に対する信頼を、如何に⾼めるかが肝になると思いました。その武器として、僕が作成したのが⾃分なりの物件レポートです。
- エリアの市場分析
- 周辺の賃貸物件の⼊居率
- ⼈⼝動向
- 現地でのヒアリング結果
銀⾏との⾯談時に、上記をはじめとする様々な情報を取りまとめ、分析したレポートを作成し、担当者にプレゼンを⾏いました。
そのレポートが、銀⾏内の稟議書にまで添付して戴ける程に好評を博したことも有ってか、初めて開拓した銀⾏でしたが、無事にフルローンを引かせて戴くことができました。
資料はもちろん⾃分で作成しました。ですが、銀⾏へ提出前には、売買仲介さんにも送ってコメントをいただくなど、様々な⼈のサポートがあって完成できたと思います。
また、実際に現地調査を⾏い、応対した⽅々の名刺も添付したことも、ネット上のみならず、⾜を使って情報を集めているとして、レポートの信ぴょう性UPにも効果があったようです。
なお、この物件。全10⼾ですが、購⼊時には4⼾が空室でした。⼊居率は、なんと60%です(笑)
もっとも、購⼊時には、かなり楽観的でした。周辺の⼊居率は決して低くないですし、まだまだ地主さん系の⼤家さんが⾮常に多いエリアです。今回の売主も、そうした⼀⼈でした。
ならば、物件の付加価値をしっかりと⾼め、それをアピールしていくことで、早期満室化は⼗分に可能と判断していたためです。
⼀向に増えない⼊居率
原因は⼀体何なのだろうか?
ところが。1⽉に購⼊後、4⽉に⼊っても、⼊居は1⼾。退去も1⼾。結果しては⼊居率は60%のままです。
これは、まずい。このままでは、銀⾏にも、あのレポートで約束した満室化計画は、所詮絵に描いた餅だったではないかと思われてしまう。必然的に、次の融資にも響く!
家賃の⾒せ⽅の⼯夫。更には、家賃そのものの⾒直し。無料インターネットや防犯カメラの導⼊。ペット可への切り替え。(もっともこれは、既存のご⼊居者様にアンケートを取ったところ、反対住⼾があったため⾒送りとしました)
これだけやっても、変化なし。成約どころか、内⾒数すら伸び悩み、頭を抱えました。管理会社も、新たにチラシを作り、店頭に置くなどしてくれていたのですが、⼀向に光が差してきません。
次に思いついたのが、まだその物件エリアでは導⼊実績がそれ程ないと聞いていた、ホームステージングです。ただ、以前に別の物件で、絶対の⾃信をもって選んだ室内のクロスが、ことごとく管理会社の⼥性陣に不評だったこともあって、そうしたセンスにはまったくといってよいほど⾃信がありませんでした。
そこで、ネットでようやくエリアでホームステージングができるという業者を⾒つけ出し、現地で打ち合わせをすることにしました。
1⽉の決済以来、3か⽉ぶりの現地訪問です。もっとも、これまでの5棟のうち、購⼊してから⼀度も現地に⾏っておらず、それでも満室経営が維持できている物件がほとんどな僕にとって、この頻度での再訪はかなり異例と⾔えました。
その訪問時に、僕が現地でみたものは…。駐輪場には、放置⾃転⾞が数台、蜘蛛の巣と埃にまみれて倒れており、ゴミステーション横には、昨年11⽉に僕が調査訪問した際にも既にあった不法投棄の家電(掃除機)が、そのまま放置されているという惨状でした。
初めてお付き合いすることとなった管理会社とはいえ、これまでの5棟を運営してきた実績から、電話とメールで信頼関係を作り上げ、物件運営に関する指向性を合致させることはできると思っていた僕にとっては、まさに⻘天の霹靂でした。
さっそく管理会社に連絡を取り、状況を伝え、どういうことかと叱責しました。その後、なんと1週間で。申込ベースではありますが、満室となりました。5⽉1⽇時点では、⼊居率は90%。もう1⼾も5⽉中にご⼊居いただき、晴れて100%となりました。
なにかを感じたら、
まず現地現物現認の「三現主義」を徹底したい
当初は、こちらが外様、かつ新参者の⼤家だからと、管理や⼊居付けに⼿を抜かれんだ!と怒り⼼頭に達していたのですが、よくよく考えれば⾃分にも悪いところが⼤きく2つあったことに気が付きました。
1つは、管理の品質やお客様募集、その他について、⾃分と管理会社の⽬線がぶれていないと、無邪気に思い込んでいたこと。
まったく。「だろう。つもり」は事故の元とは、よく⾔ったものです。これまでの管理会社では当たり前に動いてくれたことだから、当然今度のところでも⼤丈夫だろう。そんな思いを持っていたとしても、具体的に⾔葉で語りかけなければ、相⼿には伝わりません。
⾃分がどう考え、何をしてほしいのかをきちんと相⼿に伝える努⼒を惜しまないこと。この点が、まず⾃分には⽋けていました。あるいは、6棟⽬ということで、やや慢⼼もあったのでしょうね。
2つ⽬は、上とも⼤きく関与しますが、やはり信頼関係の醸成には時間がかかるということです。もちろん、対価としての報酬を受け取っている以上、管理会社が意図的に⼿を抜いているとは思いません。契約社会の根幹をなすところでもありますので。
ただ。ギリギリのところで、あと⼀歩のサポートを受けることができるのは誰なのか。地元に住み、なにもなくともたまにはお店にフラリと顔を出し、出されたお茶を飲みながら世間話にも興じてくれる。
そうした⼤家さんと、外様の新参⼤家さんとでは、⼈間ですから、前者に肩⼊れをしたくなっても当然と思います。別に、そのエリアで賃貸物件は、僕の1棟しかない訳ではないのですから。
信頼関係は、もちろんメールや電話でも育むことができますし、それで事⾜りる場合も多々あるでしょう。ただ。今回、購⼊から2か⽉ほど経っても⼊居率の改善が思わしくないとなった時に、なぜすぐに動こうとしなかったのか。
現地で、⼀緒に現物を⾒ながらfacetofaceで話をする。そうした⼀⾒ベタで地道ではありますが、地に⾜がついたアプローチを重ねることで、⼀挙に両者の距離を縮めることもできる訳ですから。
なにかを感じたら、まず現地現物現認の三現主義を徹底する。このことは、不動産経営にも確実に必要な考え⽅と思います。今回の物件では、そうした基本に⽴ち返る、良いきっかけを戴くことができました。
才津さんの「ヒアリング不動産投資」の冒頭に、少し⼿慣れてくると、すぐに無精になり、⾃宅から動かずに全てコントロールしようとする⼈がいるが、それではダメという⼀⽂がありましたが。今回、その⽂が改めて⾝に沁みました。
しっかりと、気持ちを引き締めて既存の、そしてこれからの物件運営に取り組んでいきたいと思います。
関⻄地⽅会社員MOLTAさん
■担当トレーナー:宮川のコメント
MOLTAさん、物件購⼊おめでとうございます!MOLTAさんの物件レポートはいつみても素晴らしいと感動させられます。
銀⾏の担当者、⽀店⻑、本部から⾒ても同様だと思います。取引銀⾏の⽀店が本部と戦うときに⼤きな武器になっていると思います。数値の裏付けではなく同時に熱意も伝わりますね!
今回の物件が良かったこともありますが、MOLTAさんが努⼒によってつかんだ結果だと思います。
また管理会社とのやり取りも、怒って関係を崩してしまうのではなく
- 冷静に
- 淡々と
- (良くない)状況を共有し
- 双⽅がどう思っているかの確認をし
- 今後の対応策の確認
を実⾏されたので管理会社も弁解、逆切れの余地はなく、焦ったと思います。ここまで外堀を埋められたら動くしかなくなりますね(笑)
融資付け、管理共にこれまでの知識経験をフルに⽣かされた勝利ですね。おめでとうございます!
宮川泰